-- テストは変わったのか -- 学友舎高崎(学友舎 lab)
テストは変わったのか?
大学入試問題に先行して、中学定期テストと高校入試問題が変わりました。新しい学習指導要領にもとづいています。大学入試問題の変化は、高校入試問題から予測されます。
中学について検討してみました。
大学入試については、難易度が高い大学は、以前から、教育改革で言われているような問題が出題されていました。( 私立文系は除いて )
基本問題の多い、大学入学共通テストと、比較的合格しやすい大学から平均的な難易度の大学の入試問題が、さま変わりすると予想されます。
データや資料を読み取り考える問題、分野をまたいだ問題、日常生活を題材とした問題は、以前からありましたが、主流になりました。くわえて、教科を問わず、記述式問題が増えています。
定期テスト、全国学力テスト、入試のいずれも、平均点を50点から60点に、という文部科学省の方針です。2010年までの『ゆとり教育』の時は80から90点でした。
テスト問題は、試験範囲からまんべんなく出題されます。そのため、基礎から標準的な問題の出題数が増えました。それにくわえて、応用力を調べる、新傾向の発展問題が出題されます。
ある意味、平均点を調整するための工夫ですが、基礎の習熟とその応用力を全体的に評価するため、と説明されています。
教科書とテストの変化に合わせて、塾教材もそのような問題が増えました。塾の教材は、新傾向対策として20年ほど前から、このような問題に対応していました。学友舎で、20年前に使用した問題集の前書きです。
教科の枠内では、異なる単元を組み合わせた、総合問題の比率が高まりました。
法が改正され、教科書に、学習指導要領外の、詳しい内容を記載できることになりました。定期テストと入試には、それはほとんど出題されません。
今までの問題からの変化 その特徴を絵にしてみました |
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総合問題は以前からありましたが、一つの分野、一つの単元内で、知識と思考力を問う問題が、基本でした。
予想が当たると、得点が伸びました。
社会と理科の発展問題は、一つの分野や単元の中で、細かな知識を問うことが、多くなりました。
数学と理科は、問題を解くための、操作手順の長さから、習熟度をはかりました。
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単元や分野の枠を超えて、考える力をはかります。教科をまたぐこともあります。全般的な知識が必要です。
そのため、認知的な負荷が高まりますから、組み合わせる操作と知識は、少なめに、基礎的になります。
基礎から標準の出題数を増やして、処理スピードをはかり、可能な操作手順の長さの指標とします。
操作手順のチャンク数と、処理スピードは、ある点まで、相関します 。
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大切な点は、標準問題はもちろん、発展問題が組み合わせるのは、基礎から標準的な知識と思考操作だ、という点です。
これからの試験で応用力を発揮するには、今までにまして、基礎から標準的な内容を、着実に身につけることが必要です。
基礎的な問題も、その問題の条件を、正しく分析しないと間違えるように、工夫されています。また、出題数が増やされています。うろ覚えかどうか試されます。
文部科学省は、B問題(難問)を学校の授業で指導し、定期試験に出題するよう指示しました。文部科学省は、全員が正解できるわけではない、とも述べています。
現実の入試では、B問題を飛ばしても、ほとんどの高校に合格します。まずは、基礎から標準的な問題の学習が大切です。
とはいえB問題は、志望校によっては解けることが必要です。志望校の合格点に合わせた練習が欠かせません。
発展問題の練習は、学習の区切りごとに、学んだことをふりかえり、全体の結びつきを理解するために必要です。標準的な学習の後に、総合的に考えをめぐらす練習として大切です。
発展問題は、アクティブな学習の一環として、学習します。講義で解答の手順を聞いて、それを手本にくり返し練習する方法とは別な、アクティブな学び方です。
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