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【最近の授業から ( 高校生 古文・数学 )】         2017年 4月25日

古文
高校に進むと古文を本格的に勉強し始めます。以前に比べてたくさんの英単語を暗記してきた高校生には、古文単語の暗記は難しいというわけではないようです。
まずとまどうのは、現代文と異なる助詞と助動詞でしょうか。

学校では、助動詞の活用表を伝統的に暗記させますが、それを応用して分析するには慣れが必要です。
次のような助動詞と助詞の組み合わせを見ても、はじめのうちは???ではないでしょうか。
「・・・たり けれ ば」⇒「・・・完了+ 過去 + 仮定」
「・・・ぬ べき・・・」⇒「・・・完了 + 推測」
「・・・な む」⇒「・・・完了 +  推測」
「・・・ん に は」⇒「・・・完了 +  断定 +  仮定」

古語辞典を引きながらになりますが、質問が出た場合は説明しています。


学校の授業では一人一人が疑問な点すべてを解説するわけではありません。学校から配布される問題集も、最近はわかりやすい解説が載っていますが、すべてについて説明されてはいません。

動詞の活用を含めて、中学で学習した現代国文法を連想しながら説明すると、わりとたやすくコツがつかめるようです。


数学
数学の記号と式の読み方は学校の先生によって少しずつ違います。また、参考書には書かれていません。
(小学校から高校1年生にかけては、式を音声としてしっかり読める方が学力は高いようです。読まずに視覚的にとらえていると苦手になることが多いです。一方、高校で学習が進むと、音声は意識せず視覚的に処理するようになるようです。)

たまに質問されますので、以前 YouTube で調べてみました。
興味があったので、英語サイトについても見てみました。

絶対値記号の読み方を質問されました。このホームページ作成ソフトは絶対値記号を表示できませんので具体的には書けません。
リンク先に挙げられたものは日本語だと「絶対値エー」と読みます。英語だと
absolute value of a となります。どちらでも実用的には大して変わりません。


塾で算数・数学をしていて時たま感じるのは、日本語の読み方が英語式に比べて脳の情報処理能力に負担をかけるため、英語式に読んだ方が計算が楽にできる場合があることです。

たとえば不等号です。
a < b を日本語では「a は b より小さい」とか「a 小なり b」と読みます。英語はa less than b となります。高校で less や large という単語を習った後は、この方が楽です。

分数については、2/3 を「3分の2」とふつう読みます。英語式に読むと「2割る3」または「2オーバー3」です。

式が煩雑になればなるほど、例えば2a5b8/(235acf ×62cd) とかなると、分母から読むより、分子から英語式に「 2a5b8オーバー 235acf かける 62cd 」と読んだ方が、楽に感じる人が多いようです。


確かに複雑な方程式を解く際は、英語式に分子から変形して計算した方がたやすくなります。
たぶん、日本の小学校教育で、「分数は1と見る数をいくつかに分けたうちのいくつか」と教えることが影響しています。
分数の概念を、半具体的イメージとしてしっかりと理解している生徒さんは、英語式に切り替えた方が、直感的イメージを捨象した比の思考操作になりますから、たやすくなります。


いずれにしても、一人一人の小学校からの学習歴と、分数と方程式についての数学的理解のあり方を、考慮して進めることが大切です。
むやみに英語式にすると、まったく思考力が働かなくなることもあります。
その点は忘れずに助言しています。