--  中学生 Q&A  --                                                                                                                                                        学友舎高崎(学友舎 lab)
 
学校の先生の手作り宿題プリントがちょっと難しい  




ここ数年、中学の先生の手作りプリントが増えました。
学友舎では、学校プリントも授業であつかっていますから、いくつも目を通しました。

学校プリントは当日の持ちこみで質問できます。


少し前までは基礎的な内容を復習するプリントでした。
2016年あたりから目にしたプリントは、ほとんどが発展問題が中心です。


国の教育政策にそって、実生活の話題の中に問題を設定した、合科的内容が増えていきます。

理科と数学は、「これは国語の読解問題ですか?」と言うような問題もありました。
まるで、高崎高校の前期試験で出題される、総合問題のようです。


問題文が、テストで得点差をつけるように工夫されています。
おとなが読んでも難しい文章もありました。


テストの得点が、その教科の理解だけでなく、国語の読解力にかなり左右されます。

実際、一人で解くことは難しいプリントがあります。


数学と社会は、中学と高校の学習内容が明確に違います。
高校内容を出題できません。

難しそうに見えても、中学で学ぶ内容と小学生の常識を働かせて、問題に書いてあることから、素直に考えれば、解けるものがほとんどです。


理科は、中学の教科書に高校内容の一部が紹介されていることから、事情は少し複雑です。

さすがに高校で学ぶ計算は出てきませんが、中学生の自発的な思考力の範囲を超えた問題が、たくさん見られます。


すでに平均点以上をとっている人、学力的に余裕がある人は、3年生でする受験勉強のその地ならしとして、役立ちます。


今は平均点が目標の人は、中学生の思考力の範囲ぎりぎりのような問題に時間をさくと、基礎から標準的な内容を身につけるための、練習時間が奪われます。

1年生と2年生の時は、割り切って基本的なことを優先して勉強すると、成績が上がります。3年生で学力が伸びます。

1年生と2年生でわからなかった応用問題も、高校受験前にはわかるようになります。


       ---------------------------------------------


【ここからはおまけの雑談です】

少し話がこみ入りますが、実生活の話題と結びつけてテスト問題が作られても、人の問題解決能力と中学で学ぶ科学の内容が、テストに合わせて、変わるわけではありません。


人は、まず、考察のために不必要な複雑な文脈を無視します。限られた要因と限られた条件を取り出します。それを心の中で操作する思考実験をします。

そうして、世界の事実関係と科学的法則を大ざっぱに推測します。


次に、そこで推測した事実と法則から、現実を単純化したモデルを心の中に作ります。その心の中のモデルとてらし合わせて、複雑な現実を分析します。

実験はその一つです。


限られた知識と単純化された規則をもとにした心の中のモデル。
くみつくされない複雑な現実。
この二本立て。これは教科学習にもあてはまります。


あせらずに、基礎から標準を繰り返し学習して身につけてください。
そうすれば、意外とかんたんに、はやりの問題は解けるようになります。


現実の仮面をかぶった複雑そうな問題を、たくさん暗記する必要はありません。
問題作成者が問題を作成した時、その心の中にあった単純化されたモデル、それを推理してください。

それは中学校レベルの知識と法則からできています。


プリントを練習する時は、先生がどの知識と法則を思い浮かべて問題を作成したか、それを考えると効果があります。


このあたりの事情は、ハルフォード博士という人が30年前から研究しています。学友舎は、授業では話しませんが、そのような研究も参考にしています。


   



     ≪ back  Q&A へ