-- 塾長のつぶやき --                                                                                                                                               学友舎高崎(学友舎 lab)
最近の授業から(高校生:三角関数の公式)       2021年9月11日
 『この式は何ですか?』・・・初めて聞いた率直でしごく当然な質問






高校生の数学は1年生で三角関数が登場します。

三角関数の紹介に続いて、次の公式が現れます。




             だいぶ古いですが「数研出版 高等学校数学T」より

どの教科書にも、次のような式の証明・導き方が載せられています。






ここで、公式1と公式2については、図形的イメージが教科書に書かれていて、皆さんなるほどねと思います。2年生で学習する変換公式となると図形的イメージは無理なものがでてきますが、はじめはイメージは理解を助け、応用力も増します。






で、問題はこの上の最後に書かれている公式3です。教科書の説明を追うと、もともとは三角形の三つの辺の長さの関係です。(三平方・ピタゴラスの定理)


しかし、図形的にこれをイメージして描いた説明は、高校教科書の中に見たことはありません。
群馬高専1年生の教科書もイメージには触れていません。得意ならわかるだろうということでしょうか?高専教科書の説明は次です。




              大日本図書「新基礎数学改訂版」





今回とうとう、塾にかかわって初めて、『これは何ですか?』、つまり、この式は何をあらわしているのですか、という質問がでました。


まあ、上の三角比の相互関係に書かれた一つ目と二つ目の関係式にはそれなりのイメージが書かれていますが、三つ目にはありませんから、しごく当然な質問です。



実は、アメリカの大学1年生向けの物理数学の教科書で見たことがあり、英語練習をかねたお楽しみの一つとして、高校生と話題にしたことはあります。
それは次です。1年生の数学で話題にしたことはありませんでした。(英文と説明についての質問は授業の時にしてください。ネット検索で見られます。p.1)




       Mathematical Tools for Physics     DOVERPUBLICATIONS.COM





どう説明したものかと、今年度学友舎で使用している市販問題集に目をやると、なんとなんと、そこに書かれているではありませんか!まったく、灯台下暗し。


次のコピーの右端、(図2)。この問題集、改定前のものから10年以上使用してきました。しかし、なんと私も気が付きませんでした。




              文英堂 理解しやすい数学T+A





ということで、高校生も私も、なぜか、知的にワクワクしました。
三角関数は、最初は、できる限りイメージと結びつけて理解すると、2年生から出てくる、具体的なイメージ化は無理な公式も、親しみやすくなります。


まったく当然な質問でした。こんなことを話題にした新傾向問題があらわれるかもしれませんね。


            

              文英堂 理解しやすい数学T+A


             


高校生の皆さん、これはまさにタンジェントの単位円表示ですね。