-- 塾長のつぶやき -- 学友舎高崎(学友舎 lab)
個別指導塾とは?
( 「創才学院・日本教育事業団」と後出しじゃんけん個別塾 )
2021年7月30日
少子化と不景気、ネット教材のふきゅうとあいまって、このごろは「個別指導」が主流になりました。
大手学習塾や難関校への進学を売りにする塾は、伝統的な一斉授業のことが多いようです。それでも、現在の入試改革になじみの薄い保護者の方々が、ご自身の体験からご利用なされます。
後出しじゃんけん的に個別指導をうたい、場合によっては採算無視で、当面、同業者を駆逐することが目的のような個別塾も、ちらほら見受けられます。過当競争とか独占禁止とかは、死語になりました。
学友舎は、開設以来、20年ほど前から個別指導でした。学生の時の家庭教師や田舎の小さな塾でのアルバイト体験が、原点なこともあります。
一斉授業もいくつかの塾で、講師としてしてきました。今となってはおもしろおかしい思い出ですが、あの双葉塾にいたこともあります。中学生の少人数選抜クラスで英数国、それと高校生の英語担当でした。
そんないくつかの塾の中で、塾業に専念するきっかけになったのは、今はもうありませんが、「日本教育事業団」が運営していた「創才学院」でした。
いくつかに勤めていましたので、大手塾関係の裏話は始めたらきりがありません。保護者の方がお聞きになったら、表向きのイメージとのギャップに、あきれるようなこともたくさんありました。
その話はまた後日にゆずって、「創才学院」とは。
現在も名古屋近辺に「創才学院」はあります。私が勤めていた創才学院は、それとは別で、全国展開していました。その頃の関係者の方が名前を引き継がれたかと。
(名古屋創才学院のホームページキャッチコピー「わかるからできるへ」、懐かしいです。旧創才学院を退社して私塾を始めた時、拙塾のキャッチコピーでした???)
日本教育事業団が運営していた創才学院の教室は、2000年前後になくなりました。
御多分にもれず負の記憶もありますが、当時、バブル経済崩壊後の人生を創才学院にかけようとした、元同僚の方々との思い出の方を大切にします。
いつ頃からあったのか、実は知りません。ネットからは日本教育事業団関係の資料はほとんど消えています。日本教育事業団事件という、会社分裂事件の裁判記録が1983年となっています。
高額個別指導の老舗「明光義塾」の創設が、ウィキペディアによれば1984年です。とりあえず、個別指導塾黎明期の一つです。
受験やテスト対策を売りにする通常の塾、明光義塾等とは宣伝の理念が違いました。数学のノーベル賞といわれていたフィールズ賞を受賞した、広中平祐博士が顧問でした。
付属教育科学研究所が発行したオリジナル問題集(1986)の1ページです。
何と言いますか、いくつもの点で、現在のアクティブラーニング、授業・教育改革を先取りしていました。
東京高輪のホテルで開催された職員の総会は、アメリカ流のアレンジでした。アクティブラーニングについての記事で触れた、日本アクティブラーニング協会の会合を連想させるものでした。
会社の経営権を売り出したことを含めて、いろんな意味で先取りでした。
支社幹部たちの個人的目的とは別に、「創才」と銘打っているように、子供たちの創造力を高める、という理念がありました。
受験・テストでの得点力をアピールする塾がほとんどの中、そんなところにひかれて、入社した職員と、ご利用くださった会員の方々がいらっしゃいました。
教室運営は担当職員の裁量がききましたので、各教室の個性がありました。言い方を変えると、千差万別でした。
バブル崩壊の余波で、他の職種を経験してきた職員がほとんどでした。学生アルバイトや受験指導しか経験のない職員で固めたのではない、普通の社会常識と経験からの発想と雰囲気がありました。
給料は安かったとはいえ、今とは違い、全員が正社員で、派遣社員はいませんでした。
社長さんが他業種他社の重役に就任することになり、創才学院の教室は、講師ともども経営権を売りに出されました。
自社株を職員に買わせていた会社でしたが、そのころになると、めちゃくちゃで、講師一人に生徒13人までが個別指導可能だと上から指示がありました。
それは無理な話です。まあ、公文とかはいまだにしているかもしれません。
そんなわけで、バブルの余韻がまだあり、こんな日本になるとは予想しませんでしたので、自分の思い描く個別指導をと学友舎を始めました。
自社株まで買わせておいて、突然廃社とは、うーん、かなり先取りしてましたね。冗談はやめてほしいところです。
というわけで、学友舎は初めから個別指導でした。
2002年に高崎へ移る前、20年以上前ですが、各机にはデスクトップパソコンがありました。今でいうスタディサプリのような教材も利用してみました。
ペーパー・アンド・ペンシルのテキスト教材の方が成績が良くなるので、それはやめました。学習心理学的に関心がありましたので、20年前から少しずつ文献に目を通してきました。過去記事が一つあります。
タブレット学習についての率直な疑問
しかし、この点は、時流に合わせないと営業的には失敗なようです。先取りは何事も、ほどほどに。