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最近の授業と教科内容質問から ( 中学国語 ・卒業生数学 ) (2015年 6月6日)

《中学国語文法》
中学国語で動詞・形容詞・形容動詞の活用等、文法が出てきます。
群馬県の高校入試での出題率は低く、出題されても基本的な問題がほとんどの単元です。


教科書に加えて、文法問題集を使用している中学の生徒さんから、文法の勉強の仕方について質問を受けました。

学校のカリキュラムでは学年後半に配当されていますが、その学校では文法に熱心な先生が、1学期のまず初めに、教科書ではなく、学校専売問題集( 学校ワーク )を使用して授業されました。

その先生のご指導方法は、高校古文での文法学習を思い起こしていただければ、それそのものです。(生徒さんの話によると)

活用語尾の次にくる単語を暗記し、ついでに活用語尾を暗記します。
「意味はともかく形を覚えればテストで点が取れるからそうすること」とおっしゃったそうです。
 (これはインターネット学習サイトでのコモンセンスかもしれません)


古文では有効な学習法かと思いますが、すでに話して理解している現代文文法の学習方法としては、別の切り込み方がありますので、そちらにより補習しました。
もちろん、テストでもより簡単に点が取れます。

暗記する内容を最小限に限り、動詞を学習することで、形容詞と形容動詞にも応用が利く方法を工夫しました。

未然形の「未然」の意味や、連用形の「連用」などの意味を大まかに理解することから始めました。
終止形・仮定形・命令形はその意味が明白ですから、特に何も覚えなくともいけます。

上一段と下一段の上一と下一のネーミングの由来を、なぜ上と下が付くのかから始めて説明しました。
( 詳しくは「企業秘密」です。)


連用形に付く付属語で、語形が変化しないのに活用する言葉に分類されているものがあるのは、なぜか? 
余談として現代国文法体系の不完全性について簡単に話題にしました。

毎日使用している日本語について分析し、文法規則を抽出していくとはどんなことなのか、「一日文法学者」になって思いめぐらせると、「形式丸暗記あてはめ練習」の無味乾燥から抜け出せると思います。


《卒業生数学》
大学に進学された方から、三次行列の逆行列の求め方についてメールで質問を受けました。

大学数学範囲は守備範囲ではないのですが、1年生の内容でしたので余因子による方法を調べて答えました。
(高校卒業生には、私にわかることなら質問してください、無料です、とお話しています。)


今の大学生向けの教材には、次のような式が書いてあるだけで説明がなく、授業で聞き逃してしまったようです。
 sng(i1,i2,・・・,in)=ΣsgnΠ(ik−ij)


行列は、高校のカリキュラムからひさしぶりに外されました。

妙なものです。私が高校生の頃に、「高校数学の現代化」とか言われて高校数学に盛り込まれた行列が、「脱ゆとり」として、学力を高めるために(?)削除されました

高校の教科書では、一次関数を行列を使って表記することもなく、ベクトルとの関係にも触れず、ほとんど計算練習で個人的にはあまり面白くありませんでした。

あれから40年ちかく歴史は進みました。若い生徒さんたちは、文科系の方でも学習した方が後で役立つと思います。


多分またいつものごとく、5年くらいしたら復活すると予想します。
あるいは、すでに行われている、大学から予備校や塾へ、基礎学習を外注するシステムが増えるのでしょうか。


子供たちの世代が、40年前に時代遅れと否定されたカリキュラムに戻され、中国や韓国の子供たちよりも簡単な内容の教育を受けるとは、何かの冗談でしょうか?

国立教育政策研究所 2009年3月「理数教科書に関する国際比較調査結果報告V.算数・数学の教科書 pdf
国立大学法人秋田大学 教育文化学部教育実践研究紀要 第27号 2006年
高等学校数学科教育課程における日中韓比較研究
                           (2015年 6月6日)