--  お知らせ2016 --
 



【私立中学等の受験指導料を以前の設定に戻します】   (2016年7月10日)

私立中学の受験では、鶴亀算・方陣算・通過算・差集め算など、小学校では習わない「特殊算」が出題されます。
指導が難しいため、本年度から割増した授業料を設定していました。

今回、高崎のみなさんが主に受験される私立中学の入試傾向を考慮して、時間当たりの授業料を以前の設定に戻します。


高崎から通学圏の私立校としては、共愛学園・新島学園・本庄東・本庄第一等がポピュラーです。

それらの私立中学の算数・入試問題にしめる特殊算の比率は、1割に満ちません。
また、通常多くの学習塾が使用している教材にも載せられている、基本的な内容です。

合否への影響力は、特殊算に比べて、小学校で学習する内容の発展問題、または、中学の一部先取りのような問題の方が大きくなっています。


具体的には、ここ数年の、新島学園と東京成徳大学深谷中の入試問題のうち、特殊算を学習していないと解けない問題は、小問1つです。(鶴亀算の応用)

その小問は、食塩の濃度についての大問の中の、4番目(新島)と3番目(成徳)
です。
合格者の平均点を考慮すると、合否判定にはほとんど影響しません。

また、本庄第一中学校の入試相談課が、来年度の入試に向けて配布した、出題例パンフレットには、「4教科に共通して、小学校の教科書の範囲内の学習で取り組める問題で構成します」と書かれています。
実際に問題を検討しましたが、特殊算を用いないと解けない問題はありませんでした。

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学習指導要領の改訂が今年度からまた予定されています。
それにともない、現行の算数教科書には、発展学習として、中学を先取りした内容が載せられています。

中学校で学習する1元1次方程式の、負の数をあつかわずに解ける程度の計算が紹介されていたりします。

以前から、私立中学受験対策として、中学1年生程度のXを使用した方程式の解法を教えることがありました。
学習指導要領と教科書の変化とともに、それで対処できる特殊算問題が増えると予想されます。
(実際、小学6年生にとっては、特殊算より方程式の方が理解しやすいです。)

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特殊算は、算数的思考力を比較するには、確かに便利です。

一方、中学以降の学習に際して、その大まかなアイデアは役立ちますが、細かな計算プロセスは、中学から学習する方程式にとってかわられます。

特殊算の計算方法からの発想が、中学からの方程式を活用した思考方法とずれたり、真逆になることもあります。

私立中学もこのことは当然承知しています。
それが、特殊算の出題比率が下がってきている一因ではないでしょうか。


公立の中高一貫校との、大学進学率競争になる私立学校では、中学と高校の教科学習を進める際の素養を、入試でおしはかろうとします。

特殊算のパターンを練習して身に着けた特殊な解答力ではなく、教科書で学ぶ内容をもとにして、問題文に合わせて柔軟に考える思考力を試してきます。

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とは言え、私立中学の入試問題は、いずれもやさしくはありません。
たとえ合格点が50点前後だとしても、対策が必要です。

数学の他の教科を含めて、学校の授業に合わせた通常の学習より時間がかかります。
1回あたりの学習時間と週あたりの出席回数を増やすことも必要です。
私立中学等を受験される際は、このことも合わせてご検討ください。


まれに、高校受験がないからと私立中学を志望される方がいらっしゃいます。

私立中学には、市立中学の平均点までの学力の方々がいません。
高校も含めて、学内で成績と内申を良くするためには、市立中学へ進学した場合よりたくさん勉強する必要があります。

自主的に勉強する時間をとれることも、私立中学進学の適性の一つではないでしょうか。                     (2016年7月10日)