--  雑談・塾長のつぶやき--                                                                                                                                            学友舎高崎(学友舎 lab)
 
 
過去問神話 (受験をめぐる迷信 1??)                         2010年/11月/30日
    学友舎の過去問活用法
    過去問についての一番の誤解
    高校入試は自動車免許試験とは違う
    過去問よりプロの分析
    全国で平準化した高校入試問題
    7割を確実に得点できることが大切
    過去問の弊害・・・その1
    農大二高・社会科入試問題のアルゴニズム




【学友舎の過去問活用法】

11月になると受験の足音も近づき、過去出題問題集(過去問)が話題に上ります。
学友舎は過去問を、試験形式に慣れること、問題を解いていく戦略(時間配分・手を付ける順番)の練習、割り切って無視する部分の見極め方の練習に活用します。

模擬試験を利用してすでに練習を始めていますが。


【過去問についての一番の誤解】

過去問をめぐる一番の誤解は、過去問を解いておけば試験当日もできる、と思うことです。大手学習塾のチラシを飾る合格者の体験談や、近所と携帯の口コミでは盛んに「過去問を解いたから合格できた」と語られます。

はたしてそうでしょうか?


【高校入試は自動車免許試験とは違う】

過去問集には5年ほど前までの入試問題が載せられています。しかし、5年前までさかのぼれば同じ問題が出題されるかというと、世の中それほど甘くはありません。

普通自動車の免許試験や資格試験から類推すると大失敗します。

大学入試においては、同じ過去問がなかったか調べる委員がいました。過去問を入試に利用しようと、大学間で話し合いがなされたのはつい最近のことです。

人気のある高い学力が要求される大学は、まったく同じ問題は出さないでしょう。高校入試でも実情は同じではないでしょうか。


【過去問よりプロの分析】

どんな分野からどの程度の難易度で出題されるかは推測できます。それにしても、受験生という素人が過去問を分析するより、予備校や受験対策添削会社のプロ職員が分析した方が確かです。

「過去の入試問題作成者が、問題作成時に基にした知識と知的操作」を、まとめて解説した問題集が出版されています。中にはあきれるくらい簡潔に要領よくまとめられたテキストもあります。執筆陣は全員大学院を出ていたりします。


【全国で平準化した高校入試問題】

話を高校受験に戻しますと、全国的に公立高校の入試問題は、一部の国立大付属高校を除いて、平準化してきました。出題者が多忙の中、全国の入試問題を参考にして作るわけですから。

学友舎で使用している塾専売問題集は、全国の入試問題を専任の職員が分析して作成したものです。教育関係者の助言も受けながら、「実際の入試問題を作成する際に組み合わせて利用された知識と知的操作」を体系的にまとめてあります。

過去5年間だけに視野をせばめてはいません。


【7割を確実に得点できることが大切】

塾専用教材を使用して学習を進めて、高校入試で満点は取れないかもしれません。しかし7割とれば高崎高校や高崎女子高校にも合格するだろう試験で、100点をとる必要があるでしょうか。というより、現実に100点がとれる人は何人いるでしょうか。


【過去問の弊害・・・そのbP】

過去問の練習に夢中になることの弊害の筆頭は、解けなくてもさしつかえない難問に注意と学習時間を奪われて、絶対解けなくてはならない内容の学習が手薄になることです。

中学生でなくても、人は誰しも難しいことを見せつけられれば、その対策に夢中になります。そこが落とし穴です。また教育産業がつけこむ営業トークのポイントです。

出題者にしてみれば、この問題は全員が解けないと予想しながらも、他府県と他高校と比べられた時に見劣りしないように、難問をつけくわえます。群馬県の一部私立高校の入試問題がむやみに難しいのはそのためです。


【農大二高・社会科入試問題のアルゴニズム】

農大二高の社会科入試問題が難問だと心配なさらないでください。あれはいわばタックルをかわすためのフェイントです。知らないことはあっても、教科書に載っている基本事項をおぼえていれば、正解にたどり着けるように作られています。

あれを口実にして不安をあおりたて、生徒を集めて冬期講習をしている方々の職業倫理とは何でしょうか。

高崎高校や高崎女子高校を受験される方には、群馬県立高校の過去問集よりも、国立高専の過去問題集と首都圏の他都県の過去問題集をお薦めします。
その方が入試と同じ問題が載っている確率は高いです。ただしそれをするのは非常に効率が悪く、あえてお薦めはしません。