-- 塾長のつぶやき --                                                                                                                                               学友舎高崎(学友舎 lab)
『良問』とは?・・問題練習と学力養成 @
 (26年前にスタディサプリなどを先取りしていた問題集)  2021年8月28日





 開設以来しばらく使用していた問題集


25年ほど前に学習塾を始めてから2015年まで、中学生は、数学・英語・理科の通年問題集は、それぞれ2種類使用していました。(比較宣伝になってしまいますので出版社名等は省略します。すでに双方とも改訂されています。)


一つは典型的な問題を、教科書の単元にそってならべたよくあるタイプ。難易度は標準的(A問題)で、各単元の最後に難しいB問題が多少載せられていました。


学校ワークにしばしは見られますが、簡単な問題とA問題とB問題が同じ比率でのせられていると、苦手な人も得意な人も問題集に足を引っ張られます。どんな問題が載せられているかには気を使いました。



 一つはよくあるタイプ


次がそのよくあるタイプの数学問題集です。






これは基礎用で標準用は次でした。






この後に、練習問題として、公立中学の定期テストと高校入試問題に出題された問題のパターンが、ほぼすべて載せられていました。



 オンデマンド教材のようなタイプ


もう一つは、最近のオンデマンドAI教材を先取りしたかのタイプ。と言うか、時間的には最近の教材がその模倣です。


小規模な学習塾で、多分、個別指導的な、指導経験がある人たちが編集していました。これも、公立高校受験にまとをしぼっていて、ゆとり教育が終わるまでは、問題のタイプをほぼカバーしていました。



まず、例題と解説、その右側にそれと同じタイプの穴埋め問題があります。






次に穴埋めを少し難しくした同じタイプの問題が続きます。






それから図表だけの問題が続きます。問題タイプはここまでの2タイプから4タイプに増えます。条件の変化を考える練習です。当時、出題されていた標準的な問題はカバーしていました。






しめくくりとして、2つのタイプの問題が、ヒントなしに問題文として出題されます。4つのタイプのどれかを判断する練習になります。



心理学的にもなかなかよくできていると感心して採用しました。ゆとり教育の前も効果的でした。ゆとり教育中は当時の発展問題をカバーしていました。



さて、そうこうしてゆとり教育が終わると、1年間の試行錯誤をへて、成績が上位の人がおもに使用していた、前者のよくあるタイプだけにしました。オンデマンドAI教材的な問題集はやめました。



 システム教材タイプをやめた理由 ( 事実関係 )


ゆとり教育が終わると、文部科学省の進める入試改革を先取りして、2016年頃から高崎周辺の中学校の定期テスト問題が、いっせいに変わり始めました。


ゆとり教育以前の問題に戻ったのではありませんでした。明らかに、考えて工夫するタイプでした。既習の問題(過去問)を思い出してあてはめると、引っかかるように作成されていました。


文科省のホームページなどに載せられた情報や、全国都道府県の教育委員会が学力テストに関連して検討した授業研究に目を通していました。それでも当初は様子見していました。


ところが、オンデマンド・システム教材タイプの問題集を使用していた生徒さんのテスト得点が下がり始めました。よくあるタイプを使用した方がテスト成績が良くなり、それまでと反対の傾向となりました。



心理学的にも思い当たる節がいくつかありましたので、2017年からは、特にご希望の場合以外は、よくあるタイプだけにしました。


それとともに、ホームページの過去のお知らせで触れていますが、文部科学省の進める教育改革のもう一つの柱、『アクティブラーニング』に対応した学習方法を工夫しました。



次回は、問題集のタイプと身につく学力の違いについて、これからの入試改革にもふれながら考えてみます。
当たり前といえば当たり前の話ですが、以前の勉強方法、学習観にとらわれすぎると、たぶん、うまくいきません。


 次回 ( 問題のタイプと身に着く学力の違い ) へ続きます