--雑談・塾長のつぶやき--                                                                                                                                            学友舎高崎(学友舎 lab)
大学ノート罫線幅は人類の英知だ(網膜と中継核のつぶやき)       2010年 秋




携帯電話が普及してから、小中学生の書く字が小さくなりました。2ミリ×2ミリの大きさの数字で筆算することもよくあります。文字と数字が小さすぎて、見間違えからの「ケアレスミス」が増えています。



脳解剖学の教科書には知覚の神経回路が書かれています。網膜の中心窩から視神経を通り、外側膝状体・上丘・視交叉上核を経て脳後方の第一次視覚野へ。そこから脳の中前部の視覚連合野へ達し6層構造の皮質で処理される。その逆の過程もパラレルに働く。


大雑把に言えば、小さく書かれた文字は、中継核とそれぞれの視覚野で拡大され、曖昧さを状況と推測から補われて、最終的に「見える」ことになります。


多分、パソコンでバイト数が少ない jpeg 画像を拡大したときや、近眼でメガネをかけずに車を運転したときのように、見えるより想像するに近づき、反応時間も増すでしょう。


それによると思われる学力低下が増えています。中学生が大学ノート B 版(細枠)の1行に、分数を分子分母とも書き込みます。そうするようにと指示する先生もいるそうです。これは中学生から聞いた話です。



分数はマス目2行を使って書くと、中心窩のサイズと錐体細胞の密度からして楽なのではありませんか。実験してはいませんが、網膜と中継核がつぶやき、皮質がうめく声が聞こえてきます。


塾生のみなさん。練習のときは分数は2行使って書きましょう。計算スペースがないあの妙な定期テスト本番とは話が別です。


テスト本番に合わせて小さな文字ばかり書いていると、まだ慣れない事の練習では、あなたの脳のコンピューターは最近流行のパラレル処理だとしても、曖昧な視覚情報を補うために、仮想メモリーが不足するかもしれません。小中学校の先生は、アテンションや情報処理心理学に関する専門家ではありません。


試験本番においても、シャープペンをノックした瞬間に、「仮想メモリーを増設中です」の表示とともに、思考内容が吹っ飛ぶおそれがあります。


ある実験によると、東大生でも小学校低学年程度の暗算をさせながら自転車をこがせると、どっちもちぐはぐになったそうです。
人間のバッファーメモリーは、2500円の台湾製チップを YAMADA 電気で買ってきて、増設するわけにはいきません。


分からなくなるとシャープペンをバトントワラーみたいに指で回している人。東大生もあなたも同じ人間です。やめときましょう。



入学試験では、ちゃんと計算スペースがあるか、または計算用紙がついていますから、ご安心を。それがない高校へは行くのはやめましょう。神をも恐れない先生に囲まれる確率大です。