--  テストと学習方法の色分け   --                                                                                                                                     学友舎高崎(学友舎 lab)
































































































 スピードの落としあな

英語で、教科書のページを暗唱させ
て、

再生スピードを競わせる指導方法があ
りますが、形成される心の中のモデル
と学習方略が、前のフェーズに退行し
て、つまずきの原因になります。


算数・数学でも、問題練習により問題
解決のスピードは速くなります。

しかし、スピードそのものを目的にす
ると、このフェーズで大切な、手順を
意識して追うプロセスが省略されてし
まいます。


リンクボタン  中学英語学習・・処理スピード
       の落とし穴と「回り道

リンクボタン  最近の授業から 数学不安
   math anxiety

リンクボタン  暗算でもできる簡単な問題を、
   なぜ最初に学習するのか











































































 ITとオンライン教材は学力を上げる?

利益相反にない マイノリティレポート

リンクボタン  タブレット学習についての
   率直な疑問

リンクボタン  映像授業の学習効果?
 





















個体発生と系統発生は同じではありま
せんが、
似たようなことが学習心理学
でも話題になっています。



















 精密授業 precision teaching

蔭山メソッド・公文式・論理エンジン
OS1・OS2に種本があるとしたら、
アメリカやカナダで商業化されていた
『精密授業』precision teaching で
しょうか?

Precision teaching (wiki pedia)
Precision Teaching-What is it?
                     (moray.gov.uk)
Google 翻訳で訳して目を通すと、日
本では紹介されない心理学にもふれた
説明があり、参考になります。












一斉授業を聞くことを含めて、そもそ
も『アクティブ』でない学習ってある
のでしょうか。


サブリミナルプライミングと学習が
話題になりますが、その効果は、被験
者の『その時の活動と行為の目的⇔手
段構造と動機』に左右されます。


随伴学習や偶発学習も、実験状況で、
『課題の目的と手段に関連した有効な
シグナル』が記憶されていました。



アクティブラーニングとは、学習を進
める中で、『動機づけ、目的と行為の
操作や手順』を工夫することでしょう
か。


















































































































































































オンデマンドをおぎなう
      『対話的学び』

アクティブ・ラーニングの一つ、『対
話的学び』が、GIGA教育に先行して
試行された理由、その一つは、


オンデマンドの講義とビデオ教材、そ
れとオンデマンドドリルの組み合わ
せ、それら自体は学力を高めない、と
教育実践と調査研究が示していたから
です。


それをおぎなう機能が、『対話的学
び』アクティブ・ラーニングです。

これもオンラインよりインパースンが
効果がある、と文科省は判断しまし
た。


アクティブラーニングは、企業の生産
現場の、生産性向上を目的として導入
されます。

その目的からは、人と人が実際に対面
するアクティブ・ラーニングの練習
は、学校教育で、欠かせません。


これの教育学的な粉飾が、『反転授
業』flipped classroom
、在宅と現
場の効率的組み合わせです。


フェーズBをはしょって、フェーズC
に飛んだ感じがします。


教育学、社会学では、フェーズBとフ
ェーズCは、二つの学派に分かれて、
論戦しています。
  テストと学習方法の色分け



   テスト問題と学習方法の5タイプ


テスト問題の作成パターンと対応する学習方法を、5つに分けてイメージしてみました。( おもに中学生について )
アクティブな学習方法とは何か、大まかに考察するために単純化しました。

実際は、小・中・高それぞれで、内容を変えて、@からCのタイプが繰り返されます。(典型的サイクル図)

新しい内容を学習する場面では、個体発生が系統発生を繰り返すように、それぞれのパターンの問題を、ステップ・バイ・ステップに練習します。

各パターンの学習を、より能動的に進める工夫がアクティブラーニングです。


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   学習フェーズ@イメージイラスト
@新しい単元の用語や計算規則を
 理解しているか、
 一つ一つ確かめる問題


公文式・蔭山メソッドの標準問題がこ
れです。論理エンジンOS1・2 もこの

タイプです。学校ワークとドリルの基
本問題、スタディサプリなども。


学習の初めでは大切です。このスピー
ドと習熟ばかり競うと、次のフェーズ
に移れなくなります。


学校ワークが指定される以前、先生は、問題を自作して練習することをすすめました。ノートにまとめることは、アクティブラーニングの一環として指導されていますが、自作問題はどうでしょうか。

学校ワークは手間をはぶきましたが、アクティブに自作することが省略されます。応用力と定着度は劣ります。


このタイプの問題練習でも、学校や塾で指導者とクラスメートがいると、刺激されてよりアクティブになります。


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   学習フェーズAイメージイラスト


    高校数学教科書に載っていた、ブ
    ログラミング言語BASICの用
    語にたとえると、『プログラムモ
    ード』でしょうか。

    ひとつ前のフェーズは『ダイレク
    トモード』のイメージです。



A新しく学んだ用語や手順を、
 継時的に組み合わせて考える問題


伝統的な板書・一斉授業の説明とドリ
ル学習です。


公文式・蔭山メソッド・スタディサプ
リなどの発展問題もこのタイプです。


学習の初期には欠かせません。
たとえば、算数・数学では、計算と推
論の流れを書くことが、次の「書かな
くても考えられる」フェーズでの到達
度を左右します。


わからない時、すぐ答えを参考にする
と、応用がきかなくすぐ忘れます。

手順になれるのに時間がかかります。




ほかの人に手順を説明したり、誰かを目の前に思い浮かべて語りかけると、よりアクティブになります。次のフェーズへの足がかりにもなります。

身ぶりと手ぶり(ジェスチャー)を使って、考えている内容と問題解決の流れをイメ
ージすると、理解が進みます。


基礎的な繰り返し練習の後は、適切なヒントの下で、『誤りに気付く練習』が効果的です。このフェーズには欠かせません。
時間は少しかかりますが、月単位の長い目で見れば、早く習得できます。

これは、通信添削やオンライン教材にはできない、個別指導塾のサービスです。


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                     学習フェーズBイメージイラスト

    テレビでときたま『ゲシュタルト
    崩壊』が話題になります。その逆
    が起こるイメージです。

    過去問パターンの反復練習による、
    手順の「習熟」ではなくて、「こ
    れからの世界で役に立つ力」とか
    言われています。



B単元の内容を、
 ひとまとまりのアイデアとして
 思い浮かべて考える問題


標準問題、A問題がこのタイプです。

単元の内容を、文章題で手順を追って
練習する中で、全体的なまとまりに気
づきます。


標準問題の内容は、いがいと以前と変
わりません。しかし、ドリルと過去問
のくり返し練習だけでは、このフェー
ズの学習は、なり立ちません。


くり返し練習から飛躍して、よりゆう
ずうのきく学力に変える工夫が、アク
ティブラーニングです。

 ( 文部科学省『確かな学力』)
 


一つ前の学習フェーズ A は、問題解決の手順になれることでした。このフェーズでは、過去問などのパターンを練習する中で、頭の中のモデルを、手順から、ひとまとまりのアイデアに編みなおします。


それには、試行錯誤して工夫したり、問題解決と学習の経過をふりかえって、アイデアを言葉とイメージで表現すること、『メタ認知』が欠かせません。
アイデアは、一人一人の生活史と学習歴がささえますから、個性的になります。


このフェーズの学習では、講師は、さながら生徒のように、自分を、生徒の思い・心の動きにシンクロさせます。ヒント・質問・生徒が自分で気づくようにおさえた説明。サイドバイサイドにシンクロして、借り物でないアイデアが生まれます。

これは、通信添削とオンライン教材にはできません。教育改革で、ICT活用をおぎなうように、アクティブラーニングが提唱されている理由です。


ドリルとくりかえし演習にはまってしまうと、準備運動レベルにおちいります。


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            学習フェーズCイメージイラスト


    ワーキングメモリーのキャパシテ
    ィに年齢的限界がありますので、
    中学の定期テストと高校入試の発
    展問題はこのタイプです。
    
    次のタイプにすると遅生まれの人
    が有利になり、何をはかるテスト
    か妙なことになります。



C二つの単元や異なる教科の内容を
 重ね合わせたり、二つの意見を比
 較して考える問題


発展問題、B問題です。『新傾向』と
言われますが、ゆとり教育以前の問題
と、あまり変わりません。


違いは、テストの平均点が50点台に
なるように、限られた時間で解く、問
題数が増やされたことです。

                 
二つの単元や分野の内容を組み合わせ
ます。

社会科には、複数の教科(歴史・地理・
公民)を組み合わせた、総合問題があり
ます。



単元と分野の組み合わせは色々です。
過去問の練習に工夫が必要です。





リンクボタン  群馬県高校入試2020、数学ではこんな問題です


このタイプの問題の練習の仕方は、学年にあわせて変える必要があります。同じ問題でも、練習の仕方を各学年の思考力にあわせます。


中学1年生と2年生は、フェーズ2の練習方法を取り入れて、手順の流れとして理解します。(1年生と2年生に入試発展問題の全体的把握は酷です。)


3年生は、アイデアを組み合わせて全体を把握する練習へ移ります。問題を解く中で、組み合わせを、能動的に試行錯誤できるように、ヒントと説明を工夫します。

この指導も、通信添削とオンライン教材はできません。


学校の授業では、生活場面とむすびつけて考察したり、クラスメートの考えを検討して、二つのアイデアを組み合わせて考える、きっかけとします。


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学習フェーズDイメージイラスト

     ウェクスラー検査の代わりに出題
    されてきました。
    最近は、問題数を増やしてスクリ
    ーニングするのが主流です。

    その分野が特に得意な人向けの問
    題です。通常このタイプで学習す
    ると理解と学力は下がります。






D三つの単元や教科の内容を
 重ね合わせたり、
 三つの意見を比較する問題


難関私立中学と難関私立高校の入試問
題がこのタイプです。難関大学の入試
問題にも含まれます。

B問題の難問や『最高水準問題』がこ
れです。

例外的な集団を選別するための問題で
す。
各年齢のワーキングメモリーの通
常のキャパシティーを超えます



公立高前期試験の自校作成問題に見ら
れます。後期試験と定期テストに出題
されることは稀です。

高崎高校などの受験やセンター試験で
も、このタイプの問題練習は必要あり
ません。



過去に、このタイプの問題集を、一部の生徒さんに使用したことがあります。私も若かったですので、『難しいことをさせれば学力が伸びる』と誤解して、失敗しました。


リンクボタン  その問題をいくつか別のページに載せました



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