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【最近の授業から(中学生 丸暗記でない国語文法)】   (2016年3月17日)

 中学校で習う国文法は、満点を取ろうとすると無味乾燥な丸暗記も必要にな
 る分野です。

 中学2年生で助詞の分類を学習しますが、以前、どうしても満点を取りたい
 という生徒さんに、格助詞をゴロ暗ですべて丸暗記してもらったこともあり
 ます。

 この方法の欠点は、中学生にとって、たいして知的に面白いことではありま
 せんから、テストが終わると忘れてしまうことです。


 今回、出席が1名だけ日がありましたので、丸暗記なしに問題を解く方法を
 考えてみよう、と授業を進めてみました。
 裏返せば、学校文法の元になっている橋本文法の分類規則を推測してみると
 いうことです。

 これは理系科目が好きで英語もしっかりと学習してきた、どちらかというと
 暗記科目が苦手な中学生には、なかなか受けます。


 生徒さんと私で問答しながら、典型的な助詞分類問題1題について分析し、
 分類規則について仮説を立て、別の問題を解いてみました。
 二人で考え出した分類アルゴリズムは、教科書や参考書に載っている公式の
 分類規則ではありませんでした。(実際後者はテストではたいして役立ちません)

 結果は、9割以上正答でした。
 一つも丸暗記せずに9割以上正解なら許容範囲かな、と二人で笑いました。

 まず、終助詞を「文の最後につき、話し手の態度や気持ちを表す」という教
 科書風の規則でえり分けます。

 次に、接続助詞は、英語の接続詞を連想しながら、述語文をつなぐものとし
 て選びます。

 問題は格助詞と副助詞の区別でした。
 教科書風の説明では正直言って区別は困難です。かといって、中学生に学者
 のような分析は苦です。

 その日の一応の結論は、省略しても基本の意味が成り立てば副助詞、という
 規則でした。
 を表すのは格助詞という専門家の思索に近い結論になりました。


 それにしてもこの学校国文法は、論議の多い代物のようです。
 「中学校の文法教育への批判」が大学の授業テーマになっていたりします。
 
 学習塾ですから、当然、テストで正解できるように指導していますが、本当
 のところ、これは何なんだろうとよく思います。

 次の方の大学4年時のレポートを読んで、そういうことだったのかと思いま
 した。
 学校文法の目的について 名古屋大学「日本語学成立史」のレポート pdf
                          (2016年3月17日)