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【国語 読書ジャンルと中学校からの国語の成績との関係】(2016年7月7日)

「読書をしているのに国語の成績が今一つなのはなぜか」というご質問をしばしばお受けします。

この件については、何か調査や研究論文を調べたわけではありませんが、見たり聞いたりした範囲では、読書ジャンルにより、学校の、特に中学校からの成績への影響が異なります。


ドキュメンタリーとセミ・ドキュメンタリーや、人文自然を問わず科学の入門解説書を読むことが多いと、国語テストで得点が高いようです。

残念ながら、最近よく読まれている、ファンタジー系フィクションは、どんなに多読しても、国語のテスト得点とは関係ないようです。


ファンタジー系は、エンターテイメントですから、読みやすく売れるように工夫されていることがしばしばです。
語句が少なく。現実についての理解を必要とせず。科学的論理は二の次です。


国語の読解力は、自然と人間についての理解、スキーマにもとづきます。

リンク先の解説「認知心理学(2)スキーマ」と「認知心理学(3)物語文法・文章スキーマ」の説明を参照させていただいて話を続けます。


読解問題を解くには、『文章の構造』・『物語の展開』に関する「文章スキーマ」と「物語文法」を利用します。
学習塾と予備校が売り込む読解演習は、これに関する練習です。

塾での経験からは、「何の話であるか」に関するスキーマ的知識が、文章スキーマと物語文法の利用を支えています。
学友舎では、この点を見逃さずに国語教材を選んでいます。


ファンタジー系は空想ですから、現実を理解するための思考の枠組み、を養成するには向かないようです。
中学からの国語テスト問題は、物語も解説文も、今のところ残念ながらファンタジー系ではありません。
      
ファンタジー系の論理スキーマと物語スキーマは、また、それを支える「何の話であるか」についてのスキーマは、国語・理科・社会のテストにはたいして役立ちません。

学友舎では、小学生は説明文を中心に、読解練習を進めています。
                           (2016年7月7日)