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【さかのぼり復習の際の工夫】             (2016年7月17日)

さかのぼり復習は成績向上に効果的で、必要です。
その一方、やり方を間違えますと逆効果になり、学年にふさわしい学力の習得をさまたげることがあります。


学友舎では、大まかに次の二つのケースを区別しています。

@現在の学年の学習内容をおおかた理解していて、前の学年までの学習内容が
 部分的に欠けているケース。

A前の学年までの学習内容が大幅に欠けていて、そのために現在の学年の学習
 内容の理解がさまたげられているケース。


@のケースは比較的簡単に復習できます。
部分的に欠けている内容を補修すればすみます。
数学と理科の計算規則や、理科と社会のある分野の知識を覚えるなどです。

Aのケースは、前の学年までの学習内容を部分的にくり返し復習しますと、それについては速く問題を解けるようになりますが、現在の学年にふさわしい理解と思考力が、押しのけられることがあります。
それが学習をさらに難しくしてしまうことがあります。

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たとえば、算数・数学では、現在の学年で練習する考え方ではなく、前の学年までに学んだ、より単純な考え方で、問題を解く癖がつくことがあります。
それが、新しい考え方への感受性をそいでしまいます。

さかのぼった学年の学習内容を、後の学年で学習する、より進んだ考え方に結びつけていく工夫が欠かせません。
テスト問題は、入試を含めて、そのように作られています。


英語では、現在の学年までに学習した文法を、組み合わせて応用する練習が大切です。
その工夫に欠けると、一つ一つの文法問題には素早くこたえられても、応用力がつかなくなります。

実際に英文を読んだり書いたりする際は、文法規則を組み合わせて考える事が必要ですが、バラバラの文法問題を覚えるだけですと、なかなかうまくいきません。


社会と理科では、現在の学年なりの理解力で、さかのぼり復習する単元の全体を見渡す練習が必要です。

社会と理科のさかのぼり復習の課題は、記憶する項目を減らして練習の際の負担を軽くし、単元全体の流れや大まかな考え方を把握することです。


国語では、さかのぼり復習に使用する、文章の長さと語彙を簡単にしすぎますと、復習の後、本人の書く文章と発想が、「幼児帰り」してしまうことがあります。


以上のような点に配慮して、現在の学年なりの思考力と感受性を発揮させながら、さかのぼり復習が進むように工夫しています。
また、そうすることで、さかのぼり復習にかかる時間は大幅に短縮されます。

通級学級等へ通われる生徒さん以外は、Aのケースでは、さかのぼり復習の中で、現在の学年の理解力と記憶力が発揮されるように、工夫しています。
                           (2016年7月17日)