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【中学1年生 数学 分配法則の2つの考え方】     (2016年7月18日)

分配法則の計算練習では、大きく分けて2つの指導方法があります。

まず、高崎市が採用している教科書の指導方法は次です。

 2(4a−3)=2×4a+2×(−3)
       =8a−6    ・・・・・@

これに続けて、

 −2(4a−3)=(−2)×{4a+(−3)}
        =(−2)×4a+(−2)×(−3)
        =−8a+6  ・・・・・A

そして、しばらくしてから、説明なしに何気に突然、

 −2(4a−3)=−2×4a−2×(−3)
        =−8a+6  ・・・・・B

数学が得意な中学生はともかく、中学生には、@とAが同じ計算規則だとはなかなか思えません。
なにせ、@が教科書に次のように書かれることはないからです。

 2(4a−3)=2×{4a+(−3)}
       =2×4a+{+2×(−3)}
       =8a−6

さらに、AとBを同時に書くことはできませんから、パラレルに同時に思い浮かべられるごく一部の生徒さん以外には、この説明はミステリーとなります。

そして、たくさんの中学生が、計算に習熟できずにつまずき、数学が入り口で嫌いになります。

もう一つの指導方法は、参考書等によく書かれているもので、次です。

  2(4a−3)=2×4a+2×(−3)
        =8a−6        これは教科書と同じです。

これに続けて、同じ規則性で、

  −2(4a−3)=−2×4a−2×(−3)
         =8a−6

この指導方法は、学習内容を欲張りませんから、とにもかくにも、一つの共通の計算ルールで、短期間に、二つのタイプの計算ができるようになります。

学友舎では、二番目の指導方法を採用していますが、学校は一番目です。
さてどうしたものでしょうか、悩むところです。

数学のテストでしばしば90点以上とってくる生徒さんでも、自発的にはAの展開式を書けないことがあります。
                                 (2016年7月18日)