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【中学生と高校生の英語辞典検索を一部省略します】   (2016年8月26日)

教科書の新しいLessonに進む際、予習として新出単語の意味を調べることを宿題としています。
意味はご自分で調べていただき、発音はフォニクスも説明しながら学友舎で確認する手順です。

辞典を引くことになれるために、意味調べの宿題を「わすれて」来たときは、授業で引いていただいています。
その際の辞典は、中学生は教科書巻末の付録辞典です。


特に中学生は、1年生の最初に英和辞典を引くことを習慣にしませんと、単語を教えてもらってから学習するという、指示待ち学習スタイルから抜け出せなくなったり、辞典が引けないために英語学習が面倒になりがちです。


また、英和辞典を引く行為は、見かけ以上に複雑な、いくつもの心理的機能が働く行為です。

本文の中から単語を抽出します。この際に文を分節に区切り、品詞の種類を推測する機能が、無意識のうちに働きます。

アルファベットの系列の中に単語を位置づけながら、単語の語音とつづりのイメージを短期記憶の中に保ち続けます。

調べた単語の説明の中から、もとの文脈に沿って適切な意味を選びます。

適切な意味を短期記憶にとどめながら、英単語と日本語を同時にワーキングメモリーに保って、意味を書き写します。

そのようなステップが、単語の意味を記憶にとどめる心理的支えとなります。
辞典を引かないと、それらの作業は省略され、記憶も薄れます。

   人間の、目的を持った全身を働かせた行為の中で、目的を実現するため
   に必要な心理的支え(信号)となる情報が、えり分けられ記憶に残りま
   す。

   この心理的プロセスはおおかた無意識のうちに進みます。(付随的・偶発
   記憶)
   辞書を引くという全身的行為は、目的を持った行為です。


基本はこのまま続けますが、中学3年生の受験対策教材と高校生の英文読解について、学習時間の制約から、課題により単語の意味をこちらから説明することにしました。

プリントは用意しません。その場でテキスト本文を見て口頭で説明します。
初見でもほとんど説明できますが、高校テキストにつきましては、まれに知らない単語があります。
その際は辞典を引きますのでご了承ください


   伝統的な紙の辞典の方が電子辞典よりも意味の記憶を促進するようです
   ので、学友舎で使用する辞典は普通の辞典です。

   高崎に教室を開く前、パソコン教室もかねていました時、先駆けて電子
   辞典を使用していました。
   取り立てて電子辞典の効果はなく、普通の辞典で調べる生徒さんの方が
   英語の学力は上でした。

   興味がありましたので、グーグル・スカラーで関連する研究論文を調べ
   ましたところ、紙の辞典の方が記憶を促進するという研究がありまし
   た。


   高校生は次のようなことはないのですが、中学3年生の場合、読解問題
   の本文中に、知らない単語が5つくらいあっても、質問もせず辞典を引
   くこともせず、正解あてのクイズとして問題を「真剣に解いている」事
   がしばしばあります。

   学習塾ですから、解けないときの切り抜け方も当然練習していますが、
   読解練習をクイズにしないために、訳の理解を確認しながらわからない
   単語を説明します。
                                  (2016年8月26日)