--  雑談・塾長のつぶやき--                                                                                                                                            学友舎高崎(学友舎 lab)
 
 
夏の雑談 観音山のクワガタ虫                                         2014年/8月18日
   【2016年追記 生物多様性】
   夏のささやかな楽しみ
   27年前の「沈黙の夏」・・・観音山丘陵
   高崎市がキャンプ場に種虫を放虫
   私も試しに放虫
   増えたクワガタムシ
   ところがどっこい業者がご活躍
   業者サイトを飾った私が放した虫の子孫
   あれまあクワガタは激減、殺虫剤で死んだ林も
   突然消えたクワガタ販売業者のサイト
   さて林は生きかえり虫は増えるか
   私が放したミヤマクワガタ
   どこで捕ったかは秘密
   かいま見たクワガタ虫採集ツアーの真実
   多数で追い込む狩猟本能
   深夜の観音山で一番怖いのは・・・
   キャンプ・パーク・ジョイナスでも冒険心
   未来のためにメスは大切に


(これは純雑談です、教科学習については関係ありません)

【2016年追記】
     虫の放虫につきましては、群馬昆虫学会の方から、生態系の
     DNAをかく乱する行為だとご指摘がありました。

     まったくごもっともなご指摘です。

     子供が大きくなり虫への興味が薄れたこともあり、最後に放
     虫したのは10年前になります。

     生物多様性を保全するためにも、たとえ近隣の虫でも人為的
     に移動させることは慎むべきですね。

     私の昆虫採集は、子供の成長とともに終了しましたが、観音
     山の自然が、その本来の姿で、いつまでも子供たちの成長を
     見守れるように祈ります。

          -------------------------------------

以下2014記(書き直し原稿ですので初めに書いたのは2010年です)

【夏のささやかな楽しみ】

   もう15年くらい前、幼稚園に入る前の長男を連れて観音山に虫取りに行
   き始めました。


【27年前の「沈黙の夏」・・・観音山丘陵】

   観音山丘陵は、27年くらい前に、松くい虫対策で大量の殺虫剤がまかれ
   ました。
   魚雷のような殺虫剤ボンベが、観音様から山名へ至るハイキング道に沿
   って、累々と転がっていました。

   当時、8月お盆前というのに、セミは鳴かず、クモもいず、クワガタや
   カブトムシもいない夏がありました。

   それから10年以上たっていましたが、私が小学生の頃見た、一本の木に
   ノコギリクワガタが鈴なりについていたような光景は皆無でした。


     ご参考サイト 松くい虫関係 (行政と民間で意見が違うようです)
      森林病害虫等被害対策について 林野庁pdf
      松くい虫事業について 群馬県ホームページ
      松枯れの原因・対策-The cause of the pine tree death and
      measure-        「木のお医者さん」サイト


【高崎市がキャンプ場に種虫を放虫】

   たしか高崎市が、観音山ジョイナス・キャンプ場付近に、いろんな種虫
   を放していました。
   作業していた放虫業者の方と言葉を交わしたことがあります。
   カブトムシとクワガタムシのための産卵場が作られていました。


【私も試しに放虫】

   私も、長男が小学生のうちに虫が増えればと思い、吉井の農産物販売所
   で買ってきたクワガタのメスや、街灯の下でひろったメスクワガタを、
   えさを与えてから、10年ほど放虫しました。

   保育園の夏祭りで当てた景品のメスクワガタも、お盆が過ぎると子供と
   逃がしに行きました。

   5年間ほどは、夏の終わりにある場所でとってきたミヤマクワガタのメ
   スを、20匹から30匹放したこともあります。

   放す直前に車の中で、袋が破れて逃げ出し、大騒ぎになったこともあり
   ます。
   (群馬にはまだ、夏のある期間、ミヤマクワガタのメスが腐るほど灯火に
   集まる場所がありました)


【増えたクワガタムシ】

   そのかいかどうかはわかりませんが、長男が小学校の6年生になるころ
   からノコギリクワガタとミヤマクワガタがとれ始めました。
   それまでは、夜中に何回出向いても、カブトムシだけという事が多かっ
   たです。

   下の子が小学生になるころは、巨大なミヤマクワガタを、特に苦労せず
   に、毎年とれました。

   私は、やったーと思いました。
   ほかの家族がとったところで、虫はたくさんいました。

   塾生さんから聞いた話によれば、私が子供たちと雌くわがたを放虫し続
   けた林に、バナナトラップをいくつも仕掛けて、採集を楽しんでいらっ
   しゃった中学校の先生もいらっしゃったとか。


【ところがどっこい業者がご活躍】

   そこからが問題でした。

   クワガタ販売業者が、ゲーム・ムシキング人気にあやかって、トラップ
   を設置して捕り始めました。
   毎朝捕っていたようです。

   トラップが仕掛けられた木の周りには、スズメバチ用の揮発性殺虫剤が
   いくつもつるされ、私は子供をその林に立ち入り禁止にしました。

   別のクヌギ林には、スズメバチと蚊よけの殺虫剤スプレーが常備されて
   いました。

   虫が集まる木の根元には、殺虫剤で死んだ大きなカブトムシやクワガタ
   が転がっていました。
   業者が殺虫剤を散布した直後に入ってしまったらしく、家へ帰る途中の
   車の中で、木から捕った虫が殺虫剤が効いてきて麻痺し始めたこともあ
   ります。

   とにかく異常でした。山には何が撒かれているかわかりません。
    (ハチが怖かったら捕るなよ、ですよね)


【業者サイトを飾った私が放した虫の子孫】

   高崎市内のある業者のホームページを、私しか知らなかったであろう遺
   伝的特徴を持った巨大ミヤマクワガタと、それとの混血タイプの写真が
   飾っていました。
   メスもかき集められて、20匹どころではなく販売されていました。

   子供のころから虫捕りをしていて、観音山ミヤマクワガタの遺伝的タイ
   プを知っていたら、それは99パーセント、私が子供と楽しみにして放虫
   したメスたちの子孫だとわかります。


【あれまあクワガタは激減、殺虫剤で死んだ林も】

   クワガタムシはわずか3年で激減しました。殺虫剤で死んだ樹液の出な
   い林もあります。

   この3年間は、メスを放すこともしませんでしたし、捕りにもいきませ
   んでした。
   今年探ったところでは、種メスを放虫する前の個体数に減った気がしま
   す。

   放した種メスの子孫は、しばしば1万円以上で売れますから、メスも根
   こそぎ捕られたらしく、なんの皮肉か、観音山キャンプ場近辺のミヤマ
   クワガタは、以前からの遺伝的タイプに戻ったようです。

   今年見つけた、鳥に腹部を食われて林道に転がっていたミヤマクワガタ
   の色と頭部の形は、すべて以前からの遺伝的タイプでした。


【突然消えたクワガタ販売業者のサイト】

   この夏突然、その業者のサイトがなくなりました。
   捕るだけ捕って終わりかやバカ野郎、率直な感想です。

   なぜメスまで根こそぎ捕ったのか、種メスがいなくなればオスもいなく
   なることがわからなかったのか。

   まあ、他人が10年以上、種メスを放し続けたことを知らなければ、ミヤ
   マクワガタは自然にわいてくる、ここには無尽蔵にいる、と思ったかも
   しれません。
   何事も知らぬが仏ですね。


【さて林は生きかえり虫は増えるか】

   虫の多少は、他の要因も作用しますが、それを考慮しても、さて、業者
   がトラップをあの場所に仕掛けなくなって、虫は増えるでしょうか。
   殺虫剤で死んだ林は回復するでしょうか?

   私はもう種メスを自費で放虫することはしません。
   私の下の子は、あと数年でクワガタムシはどうでもよくなります。


【私が放したミヤマクワガタ】

   下の写真が、10年くらい前、2年から5年先を楽しみにして、私が子供
   と放した純系のオスです。

   7.5pあったので、カブトムシの死骸の胸部を一撃でかみ砕きました。
   ミヤマクワガタの頭部のでっぱりは、ダテではなく、筋肉が収められて
   いるようです。

   よくまあ捕りつくしてくれたものです。
   さぞ高く売れたことでしょう。しばしば遺伝的に7センチを超えますか
   ら。

   塾長の純雑談でした。

  子どもトミヤマクワガタ


【どこで捕ったかは秘密】

   これとこれのメスがどこにたくさんいたかは秘密です。
   会員の方にもお教えできません。

   そこでは、保護繁殖施策なしに、クワガタ採集ツアーを町がバックアッ
   プして捕りまくり、その後、大地震の影響で自然環境が大変化しました
   が、まだそこにはかなりいるようです。


【かいま見たクワガタ虫採集ツアーの真実】

   今年は、その地のクワガタムシ採集ツアーの宣伝が、ネットから消えま
   した。

   ツアーが始まり数年後、虫は毎日そんなに飛んできませんから、ツアー
   で捕れる虫の一部は他所から持ち込まれていました。

   東京から有料ツアーに参加した子供連れにわからないように準備して、
   わざとらしく木にとまらせていました。
   お客さんに見つけさせる手順を、小声で打ち合わせている会話を私は聞
   きました。

   もちろん、同県民として、生活がかかっていると想像しましたから、何
   も言いませんでした。

   子供と一緒に10年近く、毎年そこを訪れていた私からすれば、そんなと
   ころに虫がいるわけがないという場所に、虫を放していました。

   何事も、そんなことをしていると、10年先のことは、神のみぞ知るです
   ね。


【多数で追い込む狩猟本能】

   しかしすごかったですよ、別のある場所の宿泊施設の、子供向けミヤマ
   クワガタ夜間採集イベント。

   夜、8時過ぎ、山間にこだまする子供たちの嬌声。
   これも負けずにこだまする、係の方の詐欺師じみた口調のナレーション
   と実況中継。
   虫を発見するたびに、20人ばかりが大声を上げて喜び、係の方がマイク
   でほめたたえていました。
   はいゲットー、またゲットーとか言いながら。

   その直前に、私と子供が探した時は何もいなかったのに、突然わいたよ
   うです。


   真っ暗な林に自分の子供を連れて行って、青虫が葉をはむ音をきかせ、
   暗闇に見えない何かが動き回る音をきかせ、その暗黒の恐怖と警戒心を
   体験させようとした私には、あれは、虫に対する、多数によるいじめだ
   と思われました。


【深夜の観音山で一番怖いのは・・・】

   まあ、観音山も、途中からは、一番怖いのはイノシシでもなく、不良の
   方々でした。
   あちら様からしたら、夜の10時過ぎに、クヌギ林の真っ暗闇に、懐中電
   灯もつけずに立っていた、私と子供は不気味だったかもしれません。
 
   観音山は、防犯青パトが昼間から走り回っています。 
   月が出ていても、クヌギ林の中は真っ暗です。
  
   ご参考までに。


【キャンプ・パーク・ジョイナスでも冒険心】

   人間に気を付ければ、観音山ジョイナスの敷地内でも、なかなか冒険心
   を満足させられます。

   闇にうごめく犬ではない何か大きなもの。
   クヌギの根元をはうサワガニ。
   20センチ近くのナメクジ。
    (突然変異ではなく15年前からいましたが、ここ数年見当たりません)
   木の幹をはういくつものムカデ。
   群れて喧嘩しているカブトムシ。
   闇に光るイタチの目。
   木を蹴ると、昼からは信じられないくらい落ちてくる大きなクワガタ。

   ただし発見と捕獲は、懐中電灯の光の外は、真っ暗闇で音しか頼りにな
   らず、困難の極みです。

   冒険好きの方にお勧めします。

     ご参考サイト ヤマナメクジ 昆虫エクスプローラー


   ただし、殺虫剤をはじめとして、何も調べないと、どこに何があるかわ
   かりませんから、くれぐれもご用心。
   安全性の面から、子供と行く場合は、キャンプサイト内の林だけにして
   おいた方が無難です。
   夏は少し暑苦しいですが、N95マスク着用をお勧めします。
   (揮発性物質には活性炭入りでないと効きません)


【未来のためにメスは大切に】

   でも、メスはお盆が過ぎたら逃がしてくださいね。
   来年も再来年も虫が捕れるように。

   私は、メスも捕ってきて、保護して交尾させ、8月下旬に虫を取る人が
   いなくなった頃また放しました。

     ご参考サイト
      ミヤマクワガタの型の地域差に興味がおありの方は、次の方の
      記事が、学者も顔負けで、とても参考になります。
      日本のミヤマクワガタについて知っていること
          「くわがた狂の大馬鹿者達」サイトより